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ダヴィンチ・コード

なぜ、観たか、
それは、トム・ハンクスが出てるから、です。
あはは
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見始めた最初の印象は、とにかく気味が悪い、でした。『羊たちの沈黙』なんて思い出すくらい、やっぱり、修道僧シラスが自分に鞭打ち身を清めるシーンは嫌でした。ただ、歴史によると、中世にはなくもなかったようですね。英国国教会の発足の理由は国王が離婚できるようにローマカトリックに対してプロテスタントを創ったいいかげんな動機にも関わらず、その際行われた、異教徒に対する弾圧、拷問なんて、人間ができることかと疑うようなことだったわけです。当時、男性中心の世界で、能力を見せた女性が魔女と見なされて、魔女狩りという名で、弾圧、拷問された、とも言われています。

人間というのは、信じるもの、守るものがあって生きているわけですが、これが行き過ぎると、他の人種を排除する、他の宗教を排除する、学校のいじめ、って変わっていってしまうわけですよ。本当にこわいですね、ああ、怖い怖い。

ジャン・レノが扮するファーシュ警部という人も、怖い人です。「~に違いない」と思えば絶対逃さない。そういえば、彼が主演していた『レオン』(名作ですね)の警部も、きれてしまっている人でした。最後の最後まで、レオンを逃さず、まだいたのか、と悔しい思いをして観たことを思い出します。今回は、そのレオンを演じた、ジャン・レノが、キレている役をやっているのを観て、ちょっとブラック・ユーモアのようにも思いました。

でも、修道僧シラスを演じたポール・ベタニ-の怖さには足元にも及びません。「神よ、許したまえ。」だけで日にも当らず、真っ白な素肌にムチ、ですよ。ああ、お日様の下で、畑仕事の手伝いをしてください、シラスさん。

ソフィー役のオドレイ・トトゥは、『アメリ』の女優さんなのですね。見た瞬間、ジュリア・ロバーツが若くなった?と思ってしまいました(笑)トム・ハンクスはねえ、『ターミナル』の時より痩せていて、よかった。教授役にはちょっと、という声もありますが、いいのです。好きな役者さんなので、出演しているだけで、文句なく、許せます。独断です。

私たちが授業で聞いた歴史は、まずは、そうではないかという仮説から始まり、それを立証していくわけですし、古代史など、塗り替えられたもの、あるいは、まだ謎のままのものがまだまだたくさんあります。トロイの遺跡だって、シュリーマンの夢が実現しなければ発掘されなかったわけです。そう考えれば、真実なんて解からないのかもしれません。

キリストの伝説には、色々な謎があって、それだけに、仮説も立てる魅力も多いのですね。ただ、相手が宗教なだけに、下手をすると、かなり圧力がかかるのでしょうが、この作品は、公開できたし、ダン・ブラウンの原作は大ヒットしました。まるで、新事実なの?と惑わされるような気分になりながら、皆何となく興味をもってしまう、惹きつけ方の上手さはありますよね。因みにマグダラのマリアとキリストのカップルというのより、マグダラのマリアとヨハネのカップルの説はあるそうな。

それはさておき、ロケ地が色々変わっていいですねえ。イギリスに到着したら、英語はイギリス英語になっているのも素敵でしたし、ルーブル、ロンドン、スコットランドの緑や歴史のある教会など、短時間でぐるりと廻れて、得をした気分でした。

物語の終りの方で、ソフィーが「人間は結局、何を信じるか、っていうことで、、、」というようなことを言う場面がありました。ラングドン(ハンクス)も「自分が井戸に落ちた時、とにかく、神様!って祈っていたよ。」と言っています。何かの宗教の信者であろうがなかろうが、無心論者であろうが、ああ、よかった、と空を見上げて言う時の気持ち、祈るってそれでいいんじゃないかと思いながら、じぃん、としながら、最後のトムハンクスの出てくるシーンを観ていました。
by t2mina | 2006-06-11 22:15 | 本・映・音・展